第5球「自分を一番高く売る」(2001.2.27)

 毎年この時期になると、真新しいスーツに身を包んだ学生をよく目にする。就職活動の季節である。僕自身、就職のことで色々質問されたりもする。時には酒飲みに行ったりすることも。

 我々が就職活動していた頃とは異なり、内定を早く出す企業と、必要とする人材が見つかるまでじっくりと採用をする企業に二分されているらしい。学生からすれば早いとこ内定もらって学生生活を謳歌したいのだろうけど、そうは問屋が卸さないのが現実である。

 彼らには「自分を一番高く売ってこい」と、強気というか無謀というかそんなアドバイスをするようにしている。だから自分を売る(伝える)ための努力は惜しむな…と。すべてを言葉で表現することなど不可能だ、という反論は横っちょにおいといて…だ。

 翻ってTWINSだ。転勤やら負傷者等で戦力が低下しつつあるということはチーム全体で認識していることと思う。というわけで、僕も積極的に新戦力を獲得すべく練習に誘ってみたり、連絡を取ってみたりしている。すでに数名紹介をしているわけだが、彼らがTWINSに定着するかどうか、また定着しても何時ごろから定着するかは全くわからない。結局本人の「野球をしたい」というニーズと我々TWINSが持つ「野球」が合致するかどうかにかかっているのだと思う。

 「柵(しがらみ)がないからこそ楽しいんだ」TWINS主将の口癖である。どうか一人でも多くの選手がTWINSの野球と合致してくれることを願う。合致したところが自分にとって一番高く売れる、すなわち自分を必要としている場所なのだから。