第11球「アナログ・デジタル」(2001.4.10)

 普段、俺は一応情報通信業界の端くれとして働いている。とはいえ、現場を離れて久しいので、最近の最新業界動向、なんてのには結構疎くなってきてしまっている。ま、野球やることに対しては全く関係ありませんが。

 時代は「デジタル」だ、と言われて久しい。「デジタル」方式というのは情報を「0」と「1」の集合体に置き換えて伝達を行うという方式であり、従来の音声での伝達方法であった「アナログ」方式からは比べ物にならないほど、高速でかつ大量の情報をやり取りできるというものだ。詳しく書けばもっと色々あるのだろうが、ま、こんなところだ。俺もこれ以上のことは良く知らん。

 確かに、今の時代は「便利」なのだろう。余計な稼動を減らして、快適に生活ができるようになっている。草野球の運営も、またしかり。誰が草野球チームHPを立ち上げて、そこで試合交渉や、球場確保や、情報交換ができるようになると思っただろうか。TWINS加入前の俺には到底考えもつかなかったことだ。これはこれで凄いことだ。

 だがしかし、それはあくまで「人間」が使う手段の一つに過ぎない。だから「人間」が使うために最低限のことは守らなければならない。最低限のコミュニケーションは守られて当然のことであろう。「デジタル」な情報のみに我々が依存すると、その関係までも「デジタル」なものに特化されてしまう。

 TWINSのHPを見ていて何がおもしろいかというと、書き込みや、報告や、そしてこのコラムがそれぞれその者の「顔」を映し出していることに他ならない。だからこそこのHPを続ける意味があり、書き込む意味があり、見る意味があるのだ。何もかも一回クリックしてしまえばおしまいなんていう関係、つまり、人間関係が「デジタル」になってしまったら、その人間関係はある意味「おしまい」である。俺はそういう関係にはなりたいとは思わない。そんな関係は必要無い。

 俺は典型的な「アナログ」人間だ。メールもするし、HPの書き込みだってするけれども。どんなことだって、どこか割り切れない部分があって、それを「心意気」や「筋を通すこと」で埋めようとしている。だからこそ俺は、俺の顔や筋がよく伝わる文章や書き込みをこれからも続けて行くつもりだ。そして、この文章に共感してくれるならば、諸兄も是非そのようにしていただきたい、と思う。古臭いといわれようとなんだろうと、俺は筋が通らないことが大嫌いだ。