第14球「サインの共有」(2001.4.25)

 野球で使うサインは通常「ブロックサイン」と呼ばれるものである。色々あるのだが、基本は「キー」となる場所があり、そこから次に触る場所でサインの内容を決めるなんてのが一般的だ。帽子からベルトを触れば盗塁…のように。

 俺自身はTWINSではサインは使わない方がいいと思っている。サインを出される前に自分で考えたバッティングをする方がよっぽどいいからだ。何となくやらされるという感じも今一つ…休日の過ごし方としてはいかがなものか…と。

 それでも、サインを使用した試合運び、とりわけヒットエンドランの戦術などは非常にTWINSにとって有益な攻撃手段であることは間違い無い。第一に、塁に出れば次の塁を目指すという意識をかなり強く持っていること。第二にそこそこ(?)俊足揃いであること。第三に二遊間が広く開くので、それだけヒットゾーンが広がる。したがってチャンスもそれだけ大きくなる可能性があることだ。明らかにTWINS向きでしょう。

 「サインを出さずにヒットエンドランを完成させる」には打者と走者が意識を持ち合わせることしかない。走者は打者有利のカウントで走る、打者は打球を必ず転がす、そして三塁コーチャーは走者に対して的確な指示を出すこと…。結構面倒くさいなぁ…と思うムキもあるが、決まった時のカッコ良さは比類無い。更に上級としてはランナーのスタートが悪いと判断したらバットを出すなんてのもある。走者主体の戦術、これがランエンドヒットである。

 そんな器用なこと俺にはできません…という諸兄はこんな方法もある。キャッチャーが捕球→送球する際にハ ゙ントの構えをして最後の最後にバットを引くという方法である。こうされるとキャッチャーは最後の最後までボールを見ることができないばかりか、ランナーの確認も難しくなる。これだけで、十分ランナーをケアしていることになるのだ。9人の打者という「点」を「打線」にするというのは打順の妙だけでなく、このような意識を持ち合うことも大切なファクターなのだ。

 一点の重みを知るからこそ、このように、色々手を変え品を変えチャンスを広げることを心がけていきたい。そしてこのプレーは思った以上に相手にプレッシャーを与えるものなのである。