第49球「仕掛ける勇気」(2001.11.13)

 厳しい試合になればなるほど、ちょっとしたことでゲームが決まってしまう。一つの四球、一つの失策、一つの失投、守備の小さな綻びを強豪チームは確実に突いてくる。突いてくる、というよりもそういうスキを与えている、と言った方が正しいだろうか。だから草野球は基本的には「自滅合戦」なのだ。

 しかし、双方がミスをしない、またはそのミスを上手く補ったとき、その試合の様相は一転する。その試合で勝敗の分かれ目になるのは、「ミスを誘う」プレーになってくる。受動態から能動態へのシフトチェンジが必要になってくる。

 ミスを誘うプレーとはこちらから「仕掛けるプレー」である、と言うことが出来る。盗塁やバント、エンドランに代表される。守備としては牽制などが挙げられるだろう。決まれば非常に大きな攻撃になるため、一点をどうしても欲しいときや、逆にギャンブルに出なければならない展開のときに起死回生の一撃になることが多い。

 逆に、「仕掛けるプレー」にはリスクが伴う。一発で数少ないチャンスを潰し、相手チームが息を吹き返すきっかけを、みすみす与えてしまうことになる。当然味方の落胆も大きくなることになる。ここに「仕掛けるプレー」の難しさがある。

 手も足も出ずに負ける試合が年に1,2試合ある。確かに相手チームの方が実力が一枚も二枚も上でした、と納得すればいいのだろうが、そんな割り切り方はあまりしたくはない。「何か抵抗できなかったかなぁ…。」といつも思う。そして「抵抗する術が無かったな…」といつも思うのだ。

 当コラム第4球にも書いたが、今年の春にTWINSは一つの練習を行った。内容は何てこと無い「セカンドへの牽制」だったのだが、意識を合わせて、それをモノにしていった結果、今季はいくつかピンチを凌ぐことができた。チャレンジマッチで試していくことで精度を高めることで、リスクを負ってでも、勝負できるアイテムを一つ手に入れることができたのだ。「仕掛ける勇気」を一つ掴んだのだ。これは。

 だから、来季に向けてもう一つアイテムをモノにしたいなぁ、と俺は思っている。どのアイテムを選ぶかはTWINSみんなで決めましょう。いずれにせよ、それをモノにして、「仕掛ける」ことで、一試合でいいから勝利をもぎ取りましょう。「仕掛ける勇気」を掴みましょう。また違った喜びが、チームを高めてくれると思います。