第212球「楽天を考える」(2005.5.18)

 戦前の予想通り、今のところ新規参入を果たした楽天ゴールデンイーグルスは低迷を続けている。100敗するのではないか、という勢いで負け続け、その負け方も大半が力負け(終盤でひっくり返される試合が多々)。俺が夕食を食べる際にJ・SPORTSチャンネルで連夜放送されており、よく見ているのだが、よくもまぁ同じ試合展開を続けているものだ、と思う。

 ここで楽天の戦力や、敗戦が続いていることを取り上げる気はない。実は夏場に楽天が勢いを取り戻すのではないか、と密かに思っている。比較的涼しい宮城を拠点に戦うこのチームは夏バテとは無縁のシーズンを過ごすのではないか、と。死のロードと有名な夏の甲子園開催期間中の阪神とは条件がまるで異なるよな、と。だから、まだ結論を出すのは早すぎるのだ。まだわからない。どこかで台風の目にならないかな、と期待している。

 ただ、一つ気に入らないのは、いくら負け続けているからといって、楽天の選手に「覇気」が見られないこと。もっと気持ち漲(みなぎ)るプレーがあっていいと思う。空元気でもいい。ハッタリでもいい。なぜならば、野球を出来ること自体が大きな喜びであるからだ。一部主力選手を除いて、本来であれば戦力外通告を受けたり、運良く現役を続けたとしても、常に解雇の陰と戦わなければならなかった選手の集まりである。その一部主力選手だって、旧所属チームと折り合いが悪く、飛び出してきた選手ではないか。

 だからこそ、結果はともあれ、「覇気(=喜び)」を前面に押し出したプレーを期待してしまうのは、俺だけであろうか。そこから楽天というチームの歴史が始まるのであり、所属する選手の小さなドラマが続いていくのではないか。我々もそうなのだが、野球を出来る環境を造るのは非常に大変なことなのだ。野球をできる、ということは非常に嬉しいことなのだ。それを見ている者に伝えてほしい。それができるプロ野球球団は実は楽天しかないのではなかろうか。それは、我々草野球人の琴線を必ずや震わせるものなのではないだろうか。

 新聞は報知、球団は巨人、好きな打者は広島の前田とある意味部外者の俺が言うのもなんだが、そういう意味で楽天に期待している。楽しく野球をやれ!。野球で漲れ!。