第214球「もっとうまくなりたい」(2005.6.1)

 一昔前の某スポーツメーカーのCMのキメ台詞を今回の表題にしてみた。少年野球の選手達が口々にこの言葉をしゃべり、最後にヤクルトスワローズの古田捕手が締めくくる、という諸兄も印象に残っているのではないだろうか。

 うまくなるにも実は色々な手段が有り、手っ取り早く肉体的な強化を図ってみるのが一番なのだろうが、もはや肉体的強化強化も難しい(そう諦めてしまうのがうまくならない一番の原因なのかもしれないが)我々からすると、一味違う「うまくなる」方法を見出さねばならないだろう。漢字に当てはめると「旨く」なるってとこか。

 主将の立場からすれば、もっともっと「選手起用の妙」「采配の妙」を磨いていきたいなぁと考えている。TWINSアナリストとして過去のデータや傾向を分析し、策を練りに練る。これだって一つのチーム強化に繋がるはずだ。大舞台に強い選手は誰なのか、チャンスに強い選手は誰なのか、この季節に例年活躍するのは誰なのか・・・もしかしたら我々の気付かない凄い傾向が見えてくるかもしれない。何で、今まで気付かなかったんだ!という驚愕の事実が見えてくるかもしれない・・・全くそれがないかもしれないのだが。

 同時に一選手の立場からすればもっともっとヒットも打ちたいし、堅実に守りたいし、ビシバシ盗塁も決めたいし、ここ一番で活躍できる選手になりたい。弱点を克服して、パワーをよりつけて、某草野球選手が命名した「超二流」の草野球人目指して精進したい。古田なんかよりも俺は「もっとうまくなりたい」、と思っている男なのだ。

 主将と一選手。そのバランスをうまく保ちながら、シーズンを過ごす難しさをこの二年いやというほど思い知らされてきた。だからこそ、俺はもっとうまくなりたい。主将としても、選手としてももっとうまくなりたいのだ・・・。考えすぎだ、と周りからは言われることもあるけれども、これも俺の個性なのだろう。キャラクターなのだろう。

 今年はイマイチ結果が伴わない。記録として、記憶として結果を出した暁には、俺がどう一選手として「うまくなろう」としてきたのか、このコラムで書きたいと思う。それまでは秘密にしておきます・・・。