第216球「道悪巧者」(2005.6.9)

 よく競馬用語で使われる今回の表題「道悪巧者」。走りやすい通常の馬場状況ではなく、雨でぬかるんでいる馬場の方が、力を発揮する馬のことを指すのであるが、往々にして実力的にはちょっと劣る例が多い。普段どおりやればかなわないけど、雨で馬場が悪くなればどうなるかわからない・・・。とはいえ、実際に馬場が悪化すれば必ず走るかというとそうでもなく、実に予想者泣かせの存在である。

 もう一つ言えるのは、道悪巧者云々というよりも、他の馬が馬場が悪化すると実力の半分も出せずに敗れ去ることの方が多い。つまり、馬場がどうなろうと、淡々と自分の持っているポテンシャルを発揮できる馬、それが道悪巧者の本当の姿なのかもしれない。

 この時期、我々もいわゆる「道悪」の状況で野球をすることが多い。草野球においての「道悪」といえば、「雨」「強風」「薄暮」の三点セットなのであるが、これが揃いまくるのが梅雨時なのだ。シトシト降り続く雨に、強風も相まって、しかも夕方は微妙な暗がり・・・。試合自体が荒れるな、という方が無理なのかもしれない。競馬の結果と合わせて考えれば、だ(笑)。そんな中で力を発揮するには、相手云々ではなくて、まさに自分の持っているポテンシャルを発揮できるか、にかかってくる。敵は相手チームなのではなく、「道悪」なコンディションであり、それに負けない強い気持ちが肝要になってくる。

 そういう意味では、この時期はチームの力を試す絶好の時期なのだ、とも言える。心技体の「心」がまさに問われる時期なのではなかろうか。勝利に対する執念、いい休日にしようとする執念、悪コンディションに負けない執念。そんな部分が勝敗の微妙なアヤとなって結果に反映されてくるのである。いずれ来るであろう、灼熱の太陽の下で野球が出来る日を想いながら、その試合が参加大会の大一番になるように、今この「道悪」を制する。そんな過ごし方が正しい梅雨の乗り切り方だ。

 TWINSも「道悪巧者」になろうではありませんか!。