第220球「いまどきの高校生」(2005.7.21)

 別に変な意味ではないのだが、我々草野球人は、この時期の高校野球中継を見るべきだ。なぜこの時期の中継を見るべきか、というと自分のプレーを投影してみることができるギリギリの線ではないか、と思うからだ。全国大会のプレーを見ていると洗練されすぎていて逆に参考にならないように思われる。今のちょっぴりヘタだけど基本に忠実な高校生のプレーは我々の大きな手本となり、また反面教師にもなる。

 プレーだけではない。彼らを見ていると、例えば動揺だとか落胆だとかそういう心理(特にネガティブな心理)を隠し通してプレーができない。逆に言うとそういう感情がモロに見る側に伝わってくるし、その感情がプレーに大きく影響していることを強く感じ取ることができる。「平常心」を保つことがどんなに難しいか、またその「平常心」がどれだけの好プレーを演出してきたか、それが最もよくわかるのが、この時期の高校野球なのだ。

 多分ハタから見てみれば、我々のやっている野球の方が明らかにレベルが低く、見ていて恥ずかしくなるようなプレーも多いかもしれない。が、自分のイメージするプレーそのものを想像すると、プロ野球選手のプレーより明らかにその姿に近いであろうし、また参考になることは多いはずなのだ。

 なかなか母校の試合を見て冷静にプレーを見よう、というのは難しいので、できれば公立高校同士の試合が望ましいだろう。又は中堅私立高校同士などの試合もいい。強豪高校同士の試合はもはや参考にするには別次元だ。当然強豪高校同士の激突の方が見ている分には面白いのだが、それとこれとは別問題だ。まぁそこが草野球人の悲しいところなのかもしれないが。

 自分のポジションを守る高校生を見てみよう。一つ一つの動き、一つ一つのプレー、あるかどうかはわからないがミスも逃さずに・・・。きっとヒントが隠されているに違いない。