第234球「These days」(2005.12.27)

 訳すと「最近」となる。ある先輩から「30歳超えると、(フィットネス的に)ガックリ落ちるよ」と脅されてはや四年が経とうとしている。その言葉を打ち消すようにグラウンドに立ち、人並み以上に体を造ってきたのであるが、やはり体の節々に「年齢(トシ)」の二文字を象徴する傾向が見て取れる。体(特に関節)が硬くなり、疲れも抜けず、そして絞れない(苦笑)。やっぱり現実は厳しいのかなぁ・・・と思わずにはいられない。

 そのくせ、野球をうまくなりたいだとか、試合に勝ちたいだとか、勝利に結びつく決定的な仕事をしたい、などという思いは日増しに強くなり、そのギャップに押しつぶされそうになる。それはグラウンドの上ではなく、むしろ普段の生活の中でより強く感じることの方が多い。それは俺にとって野球というものが、ごく自然に生活の中に入り込んでいるからなのである。そしてその想いがより強くなる季節は、まさしく今この時期なのだ。そうオフの期間なのだ。

 野球から離れてみて初めて気付くことは多々ある。野球から離れてみないとわからないこともある。冷静に客観的に自分や自分の周りの環境を見ることができる期間がまさしくこの時期なのだ。「最近、体しんどいなぁ」そういう風に思うのは実はこの時期だ。休日に試合が連続していても決して弱音を吐かない俺ではあるが、ふと自分を客観視すると、衰えたなぁ・・・という結論が容易に導き出せる。そう考えると、「These days」何やら意味深である。

 つまり、現実を直視するための期間として、今の自分を見つめなおす期間として、今の問題を見つけ、その課題を見つけていく期間として、この時期は使える時間なのだ。「These days・・・?」と考えることは、次へ向かう準備として非常に有用なのだ。

 ちょっと前まで、この時期は単に体を休める期間と位置づけていた。しかし自分の肉体的衰えに気付きだしてから、この時期をいかに過ごすか、いかに乗り切るか、という考え方にシフトしてきた。正直今季の結果には、個人的にもチームとしても満足行っていない。最高の打率を残した昨年と、最低の打率を残した今年で、あまりチーム戦績が変わらないことにも正直不満を覚える。もっと決定的な仕事がしたい。もっと勝利に貢献したい。そういう思いを、今年のオフは俺自身の中に秘めている。「These days?」いつもよりも考えることが多くなる冬になるだろう。そしていつもよりやることが多くなる冬になるだろう。