第238球「生活の柄」(2006.2.6)

 前の号で「いきなりやりますか」とぶち上げ、その通りいきなりやってみたら、当の本人がインフルエンザに掛かり1週間弱寝込んでしまった。まぁ寒いなかではあったが、実に充実した練習ができて順調なスタートを切ることができた、とは思う。自主トレもした、意識的に歩く習慣もついた、寝る前の筋トレも習慣になってきた・・・なんだかえらく健康的な生活を始めた自分がいることに気付く。

 若い頃(って言ってもつい最近まで)はそんなこと一切しなかった。オフシーズンは「休む」時期ということで、体も動かさず、ボールも握らなかった。野球で使う筋肉は野球でしか鍛えられない、と信じ、トレーニングもそれほどしなかった。深酒も減ったなぁ、暴飲暴食も減ったなぁ。今更ながらある程度節制した生活でベストなシーズンを乗り切っていきたい、そう思うようになってきた。まぁ、「ある程度」ですが。

 ここからは一年一年が勝負になってくる。今のパフォーマンスを維持できるか、さらに向上させることができるか、せめて緩やかな衰えに留めるか、30歳半ばに差し掛かり、そういうことを普段から考えるようになってきた。まぁ特別なことをしているわけではないんだけど、二日酔いのまま打席に立ったり、週末に風邪引いて寝込むようなことは極力減らしたい。もう無茶が通じる年齢ではなくなってきた、ということなのだろう。そして年々休日の過ごし方の重みが増してきている証なのだろう。

 ベテランプロ野球選手が色々なトレーニングに取り組んでいる気持ちが、今更ながら非常によく分かる。できることはなるべくやりつくしたい。自分にプラスになるものは極力取り組んでいきたい。そういう気持ちがよくわかるようになってきた。野球自体を職業としているわけではないし、あくまで趣味の一環でしかないものの、そんな俺にも彼らの姿はダブって見えてくるようになってきたのだ。他にもいろいろ理由はあるのだろうが、そういう心境の変化が俺の中に芽生えてきたことは俺自身驚きなのだ。生活の柄をいい方向に変えて、それを自分の野球なり生活なりに活かしていきたいなぁ、と思っている。

 だからこそ、今年は結果残したいなぁ・・・と思う。これで結果出なかったら、また昔の生活に逆戻りしてしまいそうでして。